健康を願う杏林製薬 HDは医療ニーズへの迅速な対応を目指す
杏林製薬 HDは、傘下に杏林製薬を保有する製薬業界の中堅企業です。新薬・ジェネリック医薬品で有名な杏林製薬の会社名を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?グループで医療用医薬品事業・ヘルスケア事業を展開し、売上高の約95%を占める医療用医薬品事業が主な事業内容となっています。グループの重点領域とする呼吸器科、耳鼻科、泌尿器科に強みを見せ、新薬やジェネリック医薬品の強化を図っています。
杏林製薬 HDの企業理念
1923年、杏林製薬の前身である東洋新薬社を創業以来、創薬一筋に邁進し、企業理念「キョーリンは生命を慈しむ心を貫き、人々の健康に貢献する社会的使命を遂行します。」に基づき、医療用医薬品事業、ヘルスケア事業をグループ全体で展開することにより、企業価値を高めたいと考えています。この企業理念を実現するために、長期ビジョン「HOPE100」を策定し、中長期的な企業価値向上の視点を持ち、健全かつ持続的に成長する「健康生活応援企業」への進化を目指しています。対象期間(2010年度~2023年度)を3つのステージにわけ、2020年度より長期ビジョンの総仕上げとして中期経営計画を推進しています。
創業100周年を迎えるのを機に、杏林製薬 HD株式会社は、2023年4月1日付でグループの主たる事業子会社である杏林製薬を吸収合併し、事業会社となる杏林製薬HD株式会社は、杏林製薬株式会社へ商号変更されました。これまでの純粋持株会社体制から事業持株会社体制に移行したことになります。急激な事業環境の変化と自社の置かれた状況に的確な対応策を取るためには、事業推進機能、経営効率の向上を図ることが必要であるとの判断によります。
中長期的な経営戦略
医療用医薬品事業を取り巻く事業環境は、医療費・薬剤費の抑制強化、新薬の創出難易度の高まり、新型コロナウイルス感染症拡大による受診抑制など、急激な変化により一層厳しさを増しています。中期経営計画「HOPE100」(ステージ3)では、ステートメントとして「オリジナリティの追及による成長トレンドの実現」を掲げ、長期ビジョン達成を目標に、5つの事業戦略と組織化戦略を推進し、成果達成に努力を積み重ねています。
この「HOPE100」は、病気の治療・予防、健康の維持・増進を推進する事業を通じて、人々の健康生活に貢献すること、グループの健全な発展を願って策定されました。その全体像を示すものとして、「キョーリン製薬グループは、2023年には社内外が認める健全な健康生活応援企業へと進化します。」というステートメントとして提言されています。また、その目指す企業像として、働きがいNo.1企業、健康生活応援企業、顧客に信頼される独創的企業、社会との共生を目指す企業、持続的な成長企業の5つに集約されています。
杏林製薬 HDの取り組み
創業100周年を迎えた杏林製薬グループですが、医薬業界を取り巻く環境が厳しい中、革新的新薬の創製で世界に認められる企業を目指しています。医薬品の研究・開発は、規模の経済は働かない業種であるとの認識のもと、新薬発見の高いハードルにチャレンジし続ける姿勢を強く打ち出しています。